あなたも無駄な残業をしていませんか。
上司というのは、見ていない様で意外としっかりあなたの仕事ぶり、主に仕事の組み立て方を見ているんですよね。
この記事では、24 歳で管理職を経験した私が “無駄” だと考える残業の対処法、回避策をご紹介します。
以下の様な社畜予備軍・もしくはもう社畜化している人を対象として “無駄な” 残業を減らすヒントを書いていきます。
- 毎日残業で死にそうな人
- 自分だけ仕事量が多いと感じている人
- 仕事を効率化してプライベートを充実させたい人
管理職に就いたことがある人、また現役管理職の方にとっては「こんなの当たり前だろ。」と感じる内容が多いと思うので、目次だけさらっと拾って気になる項目だけ読んでいただければ大丈夫です。
無駄な残業とは何か
ではまず、無駄な残業とは何かを考えてみてください。
プライベートな時間を圧迫する残業は全て無駄だと考える人もいれば、上司からの頼まれごとなど自身の仕事以外での残業を無駄だと考える人など、様々な “無駄な残業” が存在すると思います。
ただ、”無駄” と捉える残業のほぼ全てに共通することは
自分がする必要性が理解できない残業
であることがほとんどではないでしょうか。
具体的には
「なんで俺がこんな仕事やらなければならないの。あの人が自分でやれば良いのに。」
「今日はどうしても外せない予定が入っているのに、この仕事は絶対今日やらなきゃいけない仕事なの?」
など。
頼み方が理不尽であったり、その仕事は本当に今やらなければいけないの?と疑問に思う内容であったりすると、”無駄な時間を使っているのでは?” と考えるのは当たり前です。特に理由付けもせずに、ただ仕事を振るだけの上司 (そう見えているだけの上司も受け取り手からすると一緒) がいると、この悩みは職場に蔓延していきますね。
こういう状況に陥ってしまった時に「上司の仕事の仕方を直せ」というのは、一朝一夕で遂行できるほど容易なことではありません。なので、自分の行動で改善できる部分はどんどん改善・見直しを図りましょう。
私も最初は残業が嫌でしたし、何より仕事ができなくて残っていると思われるのが恥ずかしかった。ですが試行錯誤を重ねた結果、毎月の残業時間が 2時間 / 月 まで減少しました。
残業なんて、考え方・行動の仕方でいくらでも減らせます。
無駄な残業を回避する 10 のコツ
ではここからがメイン パート。自分は普段どの程度実施しているか考えながら読んでみてください。
優先順位付け
優先順位を決めて仕事を片付けよう
よく聞きますよね、優先順位。横文字大好き人間は “プライオリティ” という言葉を連呼します。
※ ちなみに優先順位を表す言葉であって、重要度は関係ないので区別しましょう。
この優先順位付けがうまくできていないと、もちろん仕事も予定通りには進みません。当たり前です。予定を立てていないので。最低限、今日やらなければならない仕事を Excel や手帳などに書き出して、どの仕事から片付けていくか予定を立てましょう。
優先順位を意識し始めると、「予定より遅れているな。」と感じた時に自然と何らかの試行錯誤を開始するきっかけになります。予定と現実の差異を少しずつ改善するだけでも、1 週間もすれば 1 時間程度は余裕で効率化できます。
作業理由・時間を明確化する
理由と時間を書き出すと自然とスケジュールが出来上がる
優先順位付けに慣れると、優先順位を付けづらい作業が見えてきます。午前中には終わらせたいが他にもやるべきことがある。など。
どちらにせよ両方遂行しなければならないのだから何も考えずに取り敢えず目の前の仕事から片付ける。というのも手ですが、あまり効率の良い方法とは言えません。この場合は、1 つ 1 つの仕事を “何のために行うのか” “どのくらい時間がかかるのか” を明確化しましょう。
例えば、完了目標が 12:00 の以下の作業 2 つがあるとして、どちらを優先すべきか。
A: 先週までの活動結果をまとめる
B: 今ある仕事の進捗状況をまとめる
この情報だけだと、どちらを優先すべきかわかりませんね。
ですが、
A: “明日の会議で使用するための先週までの活動報告” をまとめる
所要時間: 1 時間
B: “管理者が現場を把握するための仕事の進捗状況” をまとめる
所要時間: 5 分
こうなると、「A は今日中の完了が必達だけど、B は 5 分で終わるから先に片付けてしまおう。」 と予定を立てられますね。また、すぐ終わる仕事を先に片付けてしまうというのもコツで、”今日のタスク” が 1 つ減るだけでも精神面で余裕を保てます。
気持ちの変化というのは意外と仕事の効率にも影響しますので、ささっと終わらせられるものは先に終わらせてしまいましょう。
自分のキャパシティを理解する
潰れてしまう前に、キャパシティを理解しておこう
これは仕事をする意欲が高い人、特に入社したばかりでやる気バリバリの新人さんに多かったりします。なんでも「やります!」といい返事をするのは簡単なのですが、引き受けた結果残業になってしまったり、最悪周りの仕事に影響する場合もあります。
このように、たとえスケジュールを組んで行動していても自分の能力を超えて仕事を抱え込んでしまうともちろん残業は増えます。
また、上司から「あいつは口だけの人間だ」なんて思われるのも嫌ですよね。
あなたが「やります!」と言わなければ他に任せられる人は沢山いたなんて結果になる可能性だってあります。
なので、そんな悲しい結末に向かって前進する前に、自分のキャパシティを理解し、自分が手を上げる場面なのか冷静に判断するようにしましょう。
ここまでは仕事の取り組み方という大枠でのお話でしたが、次項からは “作業スピードを向上させるコツ” をご紹介します。
情報媒体を増やす
“歩く辞典” ではなく “歩く索引” になろう
何事も、”知っている” 方が早く解決に導くことができます。当たり前ですね。でも、全てにおいて熟知している “歩く辞典” になれということかというと、違います。
もちろん歩く辞書になれるに越したことはないとは思いますが、仕事で使う知識を経験して得るのではなく、勉強して “全て” インプットするというのは非効率的です。
なので、必要な情報を得られる媒体を複数用意しておきましょう。
「〇〇 については A さんが詳しかったな。」
「△△ はあのサイトに載っていたな。」
など、媒体はなんでもいいのです。ヒントとなる情報だけを覚えておけば、そこからすぐに引っ張って確認・対処を行うことができます。
また、情報は常にアップデートされるものですが、そういった媒体を複数持っている人間は媒体が勝手に新しい情報を手に入れてくれるので新しい情報にも詳しいのです。
チェックを作業として追加する
必要な作業は削らない
報告書をまとめたりメールを送信したりなど、自分が発信者となって提供する機会というのは普段の仕事の中でも多々存在します。こういう、”発信” を伴う作業では必ずチェックという作業フローを追加しましょう。
“効率化をする = 無駄な作業を省くではない” ので、あとあと本来する必要のなかった修正作業を発生させないために、面倒でもしっかりチェックをしましょう。
バッファーを取る
ゆとりを確保して仕事しよう
「定時で帰りたい」と言いながら常に残業しているあの人を見てください。
どうですか。8 時間という就業時間をいっぱいいっぱいフルで使って自分の仕事を終わらせようとしていませんか?そして結局予定外の仕事が降ってきて「今日も残業だー」と嘆いているはずです。もし定時で帰れたとしても、「今日は暇だったねー」と同僚と安堵していませんか?
別に暇だから毎日定時で帰れるのではありません。
「あの人毎日定時で帰ってるよね。サボってるんじゃない?」なんて陰口は今すぐやめましょう。あなたより仕事ができるだけです。毎日できる限りバッファー (緩衝) 時間を設けてスケジュールを組む様にしましょう。
定時が 18 時で、順調に仕事が終われば 17 時にはやることがなくなるくらいのスケジュールを組むことができれば、急な仕事が降ってきても定時内で対処できます。
また、バッファー取りができると、「あいつは頼りになるな。残業もしないし。」と色々な面で管理職からの評判もうなぎのぼりです。最初は無理にでもバッファーをとるスケジューリングをして、自分に意識付けするのもいいですね。
簡単な仕事を増やす
楽な仕事だけを選べということではない
業務の内容を簡単にするというのはやりたいと思ってできることではないので、やることが決まっている仕事 (こなす順序が決まっている・ある程度テンプレートがある。など) を増やすことが大切です。
これは今すぐできるというものでもありませんが、日々業務をこなしている中で「あれの次にあれをやって、次はこうして」というプロセスを、考えなくともできる程度にパターン化していきましょう。
例えば、
- 報告書は最初に取り敢えず全て埋めておいて、あとで詳細を修正・変更する。
- △△ までは自分 1 人でできるから、30 分以内に完了させる。など
この作業フローのパターンが増えて行くことによって、簡単かつ迅速に遂行できる仕事は必ず増えていきます。むしろ慣れてくると難しいとも面倒とも思わなくなります。
必要な残業は減らさない
必要・不必要の区別をはっきり付けよう
ここまでは “いかに残業を減らすか” について書いてきましたが、この記事でお伝えしたいのは、あくまで “残業を減らす” ではなく “無駄な残業を減らす” こと。
ここまで読んで、「よし、実践してみよう!」となったとき、必要以上に残業を減らそうとして “必要な残業” まで減らしてしまうのが 1 番危険です。
必要な残業を減らすと、
- やるべきタスクがどんどん後ろ倒しになり、優先順位など関係なくこなすだけになってしまう
- 回らなくなった時に周りに迷惑をかけると思い、自分のキャパシティを超えて頑張ろうとしてしまう。
- チェックなどの必要な作業が抜けるなど、事故の原因が増える
- 常に厳しいスケジュールを組むことになり、ストレスが増える
- 仕事が楽しくないと感じるきっかけを自分で作ってしまう
などなど、まだ沢山あげられますが、せっかく無駄な残業を減らそうと取り組んで来たことまで崩れてきてしまいます。なので、必要だと判断した残業については無理に削らないよう注意しましょう。
次からは私が仕事中にやってみて、意外と効果があったなと感じたおまけのような内容です。興味がある方は読んでみてください。
おまけ1 – 仕事を手伝う
イレギュラー対処のために
自分の時間を無理に空けてまで手伝う必要はありませんが、時間が空いたなら手伝っておいた方が良いです。
単純に終業間際になってイレギュラーな仕事が増えた時や、完了しているはずの仕事が残っていた時、他に手が開いている人が自分以外にもいる方が迅速に対応できるからです。
単純に、結果として自分の残業軽減に繋がりますね。
おまけ2 – 人を動かす
“人を使う” のではなく “人を動かす”
仕事の早い人間は人を動かすのがとても上手だなと感じます。誤解のない様に念のため書いておくと、ここで言う “人を動かす” は、“人を使う” という意味ではありません。
“人を使う” は、
- 「手空いたらこれやっておいて」
- 「これのチェックお願い」
など、何かを人に依頼すること。むしろこれは言われなくてもできていないとダメですよね。そもそも仕事が回りません。
“人を動かす” とは
- 取り敢えず「これ分かりますか」と同僚に質問しておく
- 「この作業の 〇〇 って省けないんですかね」と上長に相談してみる
など、周りの人にさりげなく問題を投げてみること。
もちろん、投げっぱなしで自分は関与しないなんてことはしません。自分で解決・遂行することが前提です。ただ、「自分はこういう状況です。」と周りに発信しておくだけでも、
同僚:「そういえばあの人 〇〇 について調べてたな。手が空いたし調べてみよう。」
上司:「そろそろ一回フローの見直しをしようか。」
というように物事を自分にとって好都合な方向へ運ばせることも不可能ではないということです。
なんでも自分 1 人でできるのも素晴らしいことですが、上手く助けを求めてみましょう。こういう小さなことを積み重ねることも、残業を減らす 1 つの手段です。
まとめ
残業が多い人、少ない人には少なからず理由があるはずです。
本記事のように残業について書いている記事を読んだり、時間管理術について書いてある本を読んだりして、まずは自分に足りていないのは何かを洗い出してみてください。
無理になんでも試そうとするのは「必要な残業は減らさない」に書いたように逆効果になってしまうこともあります。
無理せず、自分にできるものからトライして、心身ともに健康な生活を営めるよう少しずつ残業を減らしていきましょう。
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